人の気持ちほど、移り気なものはないと思う。
私もそのうちの一人だ。
すべてのことに飽き性でどうしようもない。
名前をアキラからアキルに変えたほうがいいのではないかと助言されたこともある。
さて物心がついたときから、すでに世の中ではフーテンの寅さんという映画がいつも上映されていた。映画が好きな私はどうもこの寅さんが好きになれず、どちらかというと嫌いなタイプの一人であった。
成人し、サラリーマンをやっていたとき、営業中にちょろっと映画館でサボったことがある。そのときは昼間だったのだが、なぜか老人で映画館が満員だった。そして二本立てで映画が上映されていたが、そのうちの一本が寅さんだった。【確かもう一本は松田優作さんの遺作ブラックレインだったような気がする】
そして寅さんが登場するとなんとその映画館で老人の拍手が巻き起こった。
ちょっと唖然としてみていたが、老人にこれだけの人気があるのだなとそのときは思ったものだ。
さて、さらに歳をとり、30代も後半に差し掛かったとき、テレビ東京で寅さんシリーズをやっていた。48作全てを公開するというもの。暇つぶしに見ていたら、なんと結構面白いじゃんと思い始め、のめりこんでいった。
山田 洋次監督の決め細やかな指導により、毎回毎回味があることがわかり始めた。
いてもたってもいられなくなり、限定保存版寅さんDVD全48作(うちわとはらまきと解説書付)およそ20万円を知り合いに社員価格で買ってもらい、15万円ほどで手に入れた。
今も暇なときに見ることがあるが、本当に昔の日本はのんびりとしていて良かったなとこの映画を見るとつくづく感じさせられるわけである。
【これはNHKが放送したときの解説書】
私の小さな夢は引退したら、このDVDと解説書を持って、世界一周のクルーズに出かけ、世界中でこのDVDを見るということ。さて、いつ叶うともしれない夢であるが、いつかは実現させたいと思うのである。